生産性とエネルギーが大いに高まる
生産性とエネルギーが大いに高まる
起業家はできるだけ短時間になるべくたくさんのことをこなすことに執着していますが、まず、「体重が増えないようにするには、1日に約2200カロリーを消費する必要がある」ということを忘れないでください。そして、脳は摂取カロリーの約20%を消費するほど、エネルギーを使います。
起業家や最高経営責任者(CEO)にとっては、自分の頭脳は最も貴重な資産にあたりますが、なぜか脳をないがしろにするような生活をする人が多いのです。そこで、ストレスの多い平均的なCEOを思い浮かべてみましょう。
睡眠不足の夜が多いけれど、朝は早く起床します。朝食はコーヒーかダブルエスプレッソで流し込みます。午前中は仕事か会議で終わり、昼食は軽食で済ませます(あるいは、ストレスや心配事のせいで食べません)。午後はさらに多くの仕事と会議があり、ますますコーヒーの量が増えます。そうやって、食事を抜いたり栄養の乏しい食事をしていたりすると、グルコースという、脳が最適な状態で働くのに必要なエネルギーが足りなくなります。
低脂肪タンパク質と低GI炭水化物を含む適切な食事をとることで、エネルギーとグルコースの消費が一定になり、脳の働きが良くなります。
もちろん、頭をシャープに保つためにできるのは食事に気を付けることだけではありません。
エクササイズも脳の機能を向上させます。体を動かしていると神経細胞と脳の衰えを遅らせることがわかっています。
そして、エクササイズは生産性をも高めます(注意力が強くなり、気分が高揚します)。定期的にエクササイズをしている人は、ほんの10分間散歩をしただけでも、エネルギーレベルが高まり、時間がたってもその状態が持続されるのです。
2. ストレスを撃退する
起業家であることの最大にして最悪な問題点は、恒常的なストレスと不安です。そのせいで失敗を恐れるようになってしまうと、良くない選択をしてしまったり、選択について理論的に考えたりする余裕がなくなってしまいます。
さらに皮肉なことに、コーヒーのような刺激物を過剰に飲むと、ストレスホルモンのコルチソールを増加させてしまいます。それから、健康にもたらされる深刻な被害として、腹部の脂肪の増加、免疫機能の低下、質の悪い睡眠、燃え尽き症候群、副腎疲労があり、入院することさえあります。
ストレスを放置していたせいで深刻な合併症になり、入院することになった起業家の話を聞いたことがあるかもしれません。
自分が「花のルーキー」であることを証明しようとして、ダブルエスプレッソをやたらと飲み、毎晩机の下で2、3時間しか眠らずに、締め切りをいくつもこなしながら数週間過ごしました。結果、免疫システムがすっかりやられて、野球ボールぐらいの大きさの腫瘍ができ、腸に穴が開き、緊急手術になりました。その体験を「ハフィントンポスト」の記事にこう書いています。
「すべては1カ月もたたないうちに起こったようだった」
エクササイズや栄養のある食事は、不安や気分の落ち込み、ストレスレベルを下げるのに役立ちます。
おまけ:失敗や気分が激しく上下することに悩んでいるのなら、エクササイズのほうが抗うつ剤より効果があるようです。
3. 記憶力が良くなる
常に消耗していると、不幸な副作用として記憶力が低下します。ある研究で、エアロビクスのエクササイズが、記憶と学習スキルをつかさどる脳の海馬を活性化することが証明されています。
定期的なエクササイズは、心身の消耗をやわらげるだけではなく、脳を若く保つための成長因子の分泌を刺激します。
これは、ジムで数時間過ごせという意味ではありません。プロジェクトの合間やランチのときに、10分間散歩するだけでもよいのです。
4. 頭の回転が良くなり、決断が速くなる
思い描いてみてください。ある火曜日の朝に仕事を始め、ちょっと意識がもうろうとしてきたのでひと休みすることにしたとします。ニュースをながめ、ふと振り返って時計を見たら1時間経っていました。そこで、「もっと集中して、きちんとしなくてはいけない」と自分に言いきかせるはずです。エクササイズは、そのような状態のときに役に立ちます。
青少年を対象に行われた調査で、エクササイズは、克己心、記憶、決定力、学習力などの能力を、劇的に向上させることがわかりました。
その理由と仕組みは単純です。体の動きが増えると心拍数と血流が増加して、脳の中の酸素が増えるからです。1日14時間も机に座りコンピューターを見つめているだけでは、こうはいきません。
30分間、自転車をこいだあと、被験者は運動する前よりはるかに良いテストの結果を出しました(あるいは速く回答できました)。億万長者にもっとも共通する、健康のための習慣が(休憩と同様に)運動である、という事実もあります。